ホラーゲームの箱庭
「ゲームを始めようか」
という声が聞こえた気がした。
あれは誰だったか、
かじった頭を持った怪物か?
それとも剣を携えた軍人か?
それとも狂った科学者か?
それとも巻き込まれた友人か?
自分も巻き込まれたようだ…
誰によってかはわからないが…。
■スートドール(クリーチャー)
(ワンド・ドール)(コイン・ドール)
(カップ・ドール)(ソード・ドール)
身長130cm 目や髪の色は固体により違うが、顔立ちや背丈などはすべて同じ外見。
体の何割かが機械でできた人形。見た目は8~10歳くらい。
ワンド・ドール:緑色の髪に黄色の目。一番弱いドール。
コイン・ドール:金色の髪に赤い目。二番目に弱いドール。
カップ・ドール:赤色の髪に青い目。二番目に強いドール。
ソード・ドール:青色の髪に緑色の目。一番強いドール。
「人形展覧会場」に出現する、展覧会場の中心にある部屋の人形の手足をそろえていくごとに、出現する人形の種類が変わってゆく。人形の手足がそろうほど、人形の体は人間に近づく。
■謎の少女
身長130cm 黒髪・黒目
ドールシリーズと同じ外見をした少女。見た目は8~10歳くらい。
「お父様」と呼ぶ人物の、何らかの秘密を知っているようだが…。
※「お父様」とは人形展覧会の人形を手がけた人形作家の男のこと。人形作家はDr.Sの知人であり、Dr.Sに「愛娘たちが動いて喋るようにならないか」と頼み込んだ。
■ケレブ・ブラックウェル(Caleb Blackwell)
フィンドレイの上司であり、Dr.Sの監視任務の指揮官だった人物。ゲーム開始前にフィンドレイに殺されている。
※名前の由来は西欧の伝承のブラックドッグ(黒い犬)から、ケレブ(犬)+ブラックウェル(『黒』を含む名前)。
■フレッド・ジョンソン(Fred Johnson)
ウィルの大学の友人で顔が広い、若干コミュ障気味のウィルが大学生活をそれなりに送れているのは彼のおかげであるところも大きい。恋人を事故で失ったウィルを励まそうと、ウィルを誘って地方都市マークウィッチへ向かうが、怪異に巻き込まれて死んだ。愛称はフレッド。知り合いの一人にマークウィッチにある病院で入院していた男がいて、彼からマークウィッチについて聞いていた。
由来:フレディとジェイソンから。
■リズ・バートン(Liz Barton)
ウィルの恋人であったが数ヶ月前に交通事故に巻き込まれて死んだ。ゲーム中では時々ウィルの目の前に現れることがある。
由来:リジー・ボーデンやエリザベス・バートリーから
■??????
Dr.Sの知り合いの人形作家。スート・ドールシリーズを作る。
□地名
マークウィッチ(Mirkwich)
怪異に飲み込まれた地方都市。都会の大学の付属研究所がある(Dr.Sらが行方不明になった勤務先)。
ティクサスウッド病院/(Taxuswood Hospital/)
マークウィッチのはずれの森の近くにある病院。都会にある大学の付属病院の系列医院である、この都会の大学付属病院にはDr.Sが配属されていたことがある。また、この大学はウィルの通っている大学と近い。
ティクサスレイク療養所(Taxuslake Sanatorium)
ティクサスウッド病院の森からさらに奥に入った湖畔にある療養所。Dr.Sの勤務先だったが、Dr.Sごと怪異に巻き込まれた。地下に研究施設があり、Dr.S勤務当時は国から依頼された表ざたに出来ない研究をしていた。
エンディング
ラスボス戦後に発生するもの
END1:Dr.Sはウィルによって倒されず、ウィルはDr.Sのサンプルとして怪異の中心であるDr.Sの研究所に監禁される。
END2:Dr.Sがウィルにより倒されるが、ウィルは異世界に取り残される。その後、ウィルがDr.Sのいなくなった異世界でDr.Sの役割をすることになる。
END3:Dr.Sはウィルによって倒され、ウィルは悪夢めいた異次元の世界から無事生還するが、ウィルは現実世界に戻った後、殺人鬼になる。
END4:Dr.Sはウィルによって倒され、ウィルは悪夢めいた異次元の世界から無事生還する。リズのことを忘れている。
END5:Dr.Sはウィルによって倒され、ウィルは悪夢めいた異次元の世界から無事生還する。リズのことを覚えている。
事の真相
そもそも怪異がどのようにして起きたのか。
怪異を引き起こしたのは『願望的魔法世界』の「願望を魔法にする魔法」をかけた「最初の魔法使い」が異次元を旅して通りがかった時に変異した魔法、宿主に感染し周囲の世界の一部を結界化、変異させる。
Dr.Sが主な感染源で、迷い込んだ人やDr.Sと交流があった人(今までに扱ったサンプルたちや知人)にも感染してそれらの願望が混ざって怪異に満ち溢れた閉じた世界が発生した。その場では魔法の性質と性格が合致しているDr.Sのみが怪異を引き起こすことができる。
本来「最初の魔法使い」がかけた魔法では自分と他人の願望が混ざりあうといったことは起きないのだが、Dr.Sに感染するまでの過程のどこかで変異を起こして不完全な状態で力を得た(Dr.Sは制御できてないし、無意識に魔法を使っててもそのことには気づいていない)
怪異の感染の大元であるオブジェクトがあり、それを壊してフラグをたてないとウィルは生還できない。壊さずにDr.Sを倒すとEND4(Dr.Sを倒せるが異世界に取り残される)。壊す過程で条件を満たさずにDr.Sに立ち向かうとラストバトルに勝利してもDr.Sを倒せずEND5(Dr.Sのサンプルにされる)。
最終キーアイテム:もともとはDr.Sの勤務していた病院の患者の遺体の一部(脳髄)。身寄りがなかったので死亡後そのままDr.Sの研究のサンプルに回された。元は感性豊かな芸術家の職についていた者、出自から、この世のものではないものが見えていたと思われる。
Dr.Sが願望魔法世界の最初魔法の残滓に感染した感染源。それそのものに生前の意志はほぼなく、他人の願望を取り込んで異世界を排出し続けるだけのものに成り果てている。したがって、それを壊せば怪異も異世界もその元となったウィルの生きていた世界からは消える(取り残される)。
Dr.Sは「感染源」から力を得ていたり、そういった力を使っているということをほぼ意識していない、「感染源」もあくまではひどく興味をそそるとても貴重なサンプルという扱いでしかない。ただ「都合よく」新しいサンプルが迷い込んできて「都合よく」見たことの無いような反応がみられるものがあって、「都合よく」世界が彼にふさわしい形に変わっていった。
「感染源」の外見
感染源は長さ40cmくらいの立方体の透明な容器にあふれんばかりに血肉と植物のような何かが詰まったもの。黒い脈とか赤黒い葉っぱのようなものが見える。
最初の魔法使いの「願望を魔法にする魔法」の一部から変異し、「願望を悪夢にして引き起こす魔法」を発する装置となる。
ウィリアムが迷い込めたわけ
ウィリアムが魔法によって歪まずに迷い込めたのは、Dr.Sにとってちょうどいい具合に平凡な人物だったから。異形化していく世界の中で、普通の人間がどれだけのことをできるかという観察実験をしたいと思うことで、たまに人がそのまま紛れ込むことがあった。ウィリアムが一人目ではないが、Dr.Sからするとかなり「いいところ」までいくサンプルである(それが自分を倒すことになろうとも)。
軍人が無事なわけ
Dr.Sは、自分以外の人間を実験サンプルか実験に使う道具にくらいにしか見れない。軍人は実験に使う道具としてとても使いやすかったため、自身の手足として残しておいた。
怪異の世界の中で理性があり、自我もはっきりしている。怪異の世界がDr.Sの願望をあらわし、「何か」がDr.Sをはじめさまざまなものを取り込み、それぞれに役割を与えていることに薄々気づいている。
「この世界は、願望を叶える世界らしい、それもなるべく悪い形でだ。博士がこの世界に囚われたのは、おそらくある程度の必然性があったのだろう。おそらくこの世界においては、私もあの青年もあの人形作家も化け物たちも、そしてDr.Sさえもこの世界のための役割にしかすぎないのだ。
ならば私もこの世界の歯車に徹して、Dr.Sの手足になろう。それこそが他ならぬ私の願望なのだから…」